ミシン修理レポート8 ジャノメ セルフィー5470 コードリール交換
今回はジャノメさんの電子ミシン、セルフィー5470です。
症状のメモによると、ミシンが動いたり、動かなかったりする、押え上げレバーを上げてもすぐ落ちてしまう、という物です。
電源を入れてみるとすぐ分かりました。
コードリールのプラグの手前が断線しています。
家庭用ミシンの場合、常時テーブルの上に出している方は少なく、使う時だけの登場となりますから、当然プラグの抜き差しが頻繁に行われるため、どうしてもこの部分は断線しやすくなってしまいます。
抜き差しするときは、固いプラグ部分を持つようにして、けっしてコードを引っ張らないようにしましょう。
コードリール交換自体はとてもありふれた修理なのですが、このミシンのタイプの場合は、ちょっと面倒です。
コードリールはミシンの本体奥にネジ2本で固定されているのですが、そのうちの1本がとっても分かりづらい場所にあるのです(赤い丸の奥です)。
この奥の(ピンボケした)ネジです。
やっとのことでネジの場所を見つけて、コードリールを外してところです。
このタイプのミシンはさらに、配線の差し替えも電源ボックスを分解しなければならず面倒です。
・・・なので配線は抜かずちょっとした裏技を使ってコードリールのコードのみを交換します(分解にはかなりのリスクがともないます!リールが弾けたら一巻の終わりなので)。
無事、コードの交換を終えたら元の位置に戻すのですが、さっきのネジを止め直すのがまた一苦労です。
内部が暗くて狭いので、手探りでドライバーを回していきます。
他のミシンのコードリール交換は、(もちろん、ミシンの分解は必要ですが)ここまで面倒ではありません。
このタイプのミシンの場合が、一番面倒かも?
押え上げレバーが上で固定されず、手を離すとすぐ落ちてしまいます。
すぐ落ちてしまうのは、単純にレバーの摩耗が原因です。
ミシンをよくお使いいただいている証拠です。
このレバーの交換も機種によっては難しいものもあるのですが、このミシンの場合はちゃんと元の形を覚えてから分解すれば、問題はありません。
私は記憶力に少々問題があるので(汗)、分解前には必ずスマホで写真を撮ってからネジを外していきます。
慎重にばらしていっても、うっかりバネが弾けて元の形が分からなくなった! なんて恐怖を何度も味わったので、予防策です。
押えレバーが摩耗するぐらいなので、当然、ミシン内部にはほこりがいっぱいに溜まっていました。
オーバーホールをご希望だったかは忘れましたが、ほこりはすべて掃除しております。
注油し、各部を点検をおこない、試縫いもきれいに縫えて完了です。
修理をご依頼いただき、ありがとうございました。
最後に、コード関連で小ネタ(?)をひとつ。
たまに「コードリールを黄色のシール、赤いシールまで引っ張り出したら、元にもどらなくなった! 壊れた!」というお問い合わせがあります。
こんなときは、ちょっと怖いとは思いますが、コードをもう引き出せないと思っても最後のひと引っ張り引いてみてください。
きっと直ると思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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<ご注意>
この記事は、「ミシンの修理をおすすめするもの」ではありません。
経験のない方がミシンを分解するのは、非常にリスクが伴います。
軽はずみな分解をおこなったために、その後、修理不能となるケースがありますので、ご注意ください。