ミシン修理レポート5 ブラザー A35-LG 針棒がグラグラする
針棒がグラグラするブラザーさんの小型電子ミシンA35-LGをお預かりしました。
お客様のお話では、少し厚手の生地を縫ったときから、この症状が出たらしいです。
このようなコンパクトミシンは、とても軽いので持ち運びという点では大きな利点があります。
部屋から部屋へ気軽に移動させたり、使わないときはサッと片付けられたりと。
しかしその反面、固い生地を縫ったり、頻繁で長時間の使用には向かないミシンでもあります。
分解してみると、針棒をしっかり掴んでいるはずの針棒だきのネジが緩んでいました。
人間で言えば腕の関節が、完全に脱臼しているような状態です。
もちろんネジを締め直せばいいのですが、この際、取り付け向きにも気をつけながら、針とお釜の微妙なタイミングを正確に合わせなければいけません。
その後は、針穴糸通し器の高さを点検します。
今回、針とお釜の剣先の隙間も適切でなかったので、これも調整します。
分解ついでに、他の箇所も点検していきます。
このタイプのミシンは、上軸のタイミングギヤのネジも緩みやすく、、、
案の定、やはりここも緩んでいましたので締め直します。
オーバーホールのご依頼ではありませんが、点検ついでに全体の注油と、軽く内部のお掃除をおこないます。
組み立て直し、試縫いもきれいに縫えて完了です。
お客様には、針が刺さりにくいような固い生地はお控えください、とお伝えしました。
そもそも家庭用ミシンは概ね厚地が苦手ですが、多少の厚地も縫いたいと言うのであれば、重量6kg以上のミシンをおすすめしています(出来れば8kg以上)。
重いミシンを避けられる方もいらっしゃるかも知れませんが、重ければそれだけ骨組みがしっかりしている証拠であり、それはミシンの基本性能、パワーと耐久性に大きく関わってきます。
ミシンを買いに行ったときに、機能やスペックがまったく分からない場合は、取り敢えず手にとって持ち上げてみてください。
ずっしりと重ければ、ほとんどの場合、そのミシンは悪いミシンではありません。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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<ご注意>
この記事は、「ミシンの修理をおすすめするもの」ではありません。
経験のない方がミシンを分解するのは、非常にリスクが伴います。
軽はずみな分解をおこなったために、その後、修理不能となるケースがありますので、ご注意ください。