アイミ日記

ミシン修理レポート6 ベビーロック 衣縫人BL515 動かない

今回、「動かない」という症状でベビーロックさんの衣縫人BL515をお預かりしました。
はずみ車を手で回そうとしても、まったく動きません。

抜群に操作が簡単で高品質なベビーロックさんの製品ですが、長期間ご使用がない時に固着が起きやすい印象があります。
てっきり、その手のトラブルかと思い、ご使用頻度をお聞きすると、かなり頻繁に使っているとのこと。
今回はオーバーホールもご希望ということで、分解して調べることになりました。

固着の場所はすぐに分かりました。
上の写真の上ルーパー軸の可動部分が固まっていたのです。

この機種のように糸通しが楽なエアスルータイプは、糸が通るパイプに少しでも水や油が入ってしまうと、糸を通すことが出来なくなってしまうため、注油には細心の注意が必要です。
無闇に油をさしてしまうと、大怪我になりかねません。

ですが、このあたりの可動部はたまにでいいので、(気をつけながら)油を1滴さしていただければと思います。

全体点検、修理調整、清掃、注油のため、すべての外装カバーを外して行きます。
なかなかのホコリの量です。
お預かりしたとき、外側や、ルーパー周りがとてもきれいだったので、このギャップに少し驚きました。

後でお話をお聞きすると、お手入れにスプレータイプのエアダスターをご使用とのことでした。
エアダスターは確かにきれいにはなるのですが、ホコリが奥へ奥へと行ってしまい、逆効果になる場合があります。
ロックミシンに限らずですが、ホコリの除去はハケや筆などでパタパタとはたいて、掃除機で吸うのがよろしいかと思います。

でも、これぐらいお使いの方が、きっとミシンは喜んでいると思います。
(逆に、分解したときに中がきれいすぎると、なんとなく寂しい気持ちになります、、、)

時間をかけて奥まですっかりきれいになりました。

使用頻度によりますが、5〜10年経ったミシンには分解清掃をご検討ください。
基本的に、家庭用ミシンは分解しないと油をさすことができませんし、分解することで不具合の種が見つかることもあります。
ホコリの溜まりやすいロックミシン は、特におすすめします。

一通りの点検をしていきましたが、このタイプのミシンの場合、上の写真の針棒のピン(針棒リンクピン)がよく緩んでいることがあります(今回は大丈夫でした)。
もし緩んでいるようなら、緩みにくい対策部品もありますので、修理にお出しになることをおすすめします。

他の不具合としては、糸調子器内の糸がらみ、針板のキズ、下ルーパーのキズなどがあったのでこれを修理し、エアスルーパイプを清掃しました。
もちろん、糸調子も調整し、きれいに試縫いも出来たので完了です。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。
このブログでは、ミシンを使う上でのちょっとしたヒントや、ミシン修理レポート、お知らせ、雑記などを不定期で載せております。
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<ご注意> 
この記事は、「ミシンの修理をおすすめするもの」ではありません。
経験のない方がミシンを分解するのは、非常にリスクが伴います。
軽はずみな分解をおこなったために、その後、修理不能となるケースがありますので、ご注意ください。