ミシン修理レポート1 JUKI HZL-G200 釜駆動ギヤ交換
東京・小金井「ミシンのアイミ」で修理を担当しております、「O(オー)」です。
このブログでは、ミシンを使う上でのちょっとしたヒントや、ミシン修理レポート、お知らせ、雑記などを不定期で載せております。
今回はJUKIさんのHZL-G200で、「下糸をすくわない」という症状の修理が送られてきました。
BOX送りを採用し安定して生地が送れる良いミシンです。
機能面では比較的シンプルなタイプですが、上位機種と比べても縫いの基本性能は遜色なく、コスパのいい機種だと思います。
さっそく拝見したところ、針とお釜のタイミングが完全にずれていました(というより、お釜が回らない)。
ベッド下(釜部の裏側です)を開けてみると、釜駆動ギヤがに大きな亀裂が・・・このギヤの交換は、JUKIさんのBOX送り搭載のミシン(HZL-F600JPなどエクシードシリーズや、G、Xシリーズなど)では、たまにある不具合なのですが、比較的、手の掛かる修理だと思います。
あらかた分解しました。(骨組みがしっかりしています~)
後で組み直すときのことも考えて、余計なところはいじらないよう慎重に取り外します。
お釜を外した状態の写真です。
ここが破損している釜駆動ギヤです。
家庭用ミシンの場合、動作音を小さくするためにギヤの組み合わせを金属+樹脂にするのが普通ですが、デメリットとして、まれにこのような樹脂割れが発生することがあります。
新しい物と交換しました。
下軸にはギヤの他にも糸切りカム、送りカムなど色々な部品が付いていますので、これらをずらさないよう注意が必要です。
最後に分解した下軸のシャーシを本体に戻すのですが、コツをつかむまで苦労しました。
うまく糸切り関係のリンクを処理しないと、きちんとはまってくれないのです(涙)。
修理中に発見した他の不具合は、、、
針落ちのズレ(針が外釜の剣先に接触していました)、 針板(穴)のキズ、 大きめの動作音、 糸保持パイルの欠損、 てんびん糸絡み、 などがありました。
すべて修理・調整して、試縫いもきれいに縫えたので完了です。
好きなタイプのミシンだけに、修理も楽しんでやれます!
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<ご注意>
この記事は、「ミシンの修理をおすすめするもの」ではありません。
経験のない方がミシンを分解するのは、非常にリスクが伴います。
軽はずみな分解をおこなったために、その後、修理不能となるケースがありますので、ご注意ください。